本当に声優になりたい? 多様化する声の仕事と厳しい現実

キャリア戦略

こんにちは。前回の記事で軽く自己紹介とブログの方向性をお話ししましたが、今回はもう一歩踏み込んで、「声優になりたい」とはどういうことか? を一緒に考えてみたいと思います。

近年、アニメやゲームの盛り上がりとともに声優業界自体も大きく拡大しています。
また、誰もがクリエイターとなれる時代へと変わり、「声優」といっても活躍のフィールドや仕事の内容は千差万別となっています。
他にも、声を使う仕事といってもVtuber、配信者など、声を活かした仕事の選択肢も増えました。
それに、アナウンサーやラジオDJなども、根強い人気のある職業ですよね。
自分は、声優としてどんな道を歩みたいのか?を明確にしないままスタートしてしまうと、途中で迷ったり挫折したりしがちです。
あなた自身の“理想の将来像”を見つめるきっかけになれば幸いです。

1. 声優ってどんな仕事?

1-1. 声優=“声を吹き込む”専門家

すでにご承知おきのことと思いますが、声優とはアニメやゲーム、映画の吹替(外画)、ナレーションなど、台本上のキャラクターや情報に“声”で命を吹き込むのが声優の役割です。

  • アニメやゲームのキャラなどを演じる
  • 吹き替え作品で海外俳優の演技を表現する
  • ナレーションとして情報を伝える

メディアの多様化とともに声優の仕事は広がっていますが、全てにおいて根幹となるのは「表現力」です。
ただし、アニメ、ゲーム、吹き替え、ナレーション……媒体によって表現の方法は変わってきます。
だからこそ、自分が何をやりたいのか、何が得意なのか、市場的に価値があるのかを見極めて、それを叶えるための道筋を選んでいく必要があります。

1-2. “人気声優”になるには長い道のり

テレビの人気番組に出たり、アーティストとしてドームを埋めたり、配信番組ではたくさんの視聴者がいたりと、声優は大人気で華やかなイメージもありますが、すぐにアニメの主役を張れる人はごくわずか
その上、主役をもらったからといってすぐに人気者になれるわけでもありません。
ほとんどの場合、新人時代は地道なレッスンや小さな案件を積み重ね、下積みを経て少しずつ活躍の場を広げていきます。

2. 声優になるための“王道ルート”とは?

2-1. 養成所や専門学校で学ぶ

下記のような専門的な組織で、発声・滑舌・演技・アフレコ実習などを体系的に学べる場所に通うのが一般的です。

  • プロダクション直結の養成所(例:日本ナレーション演技研究所 他)
  • 声優・アニメの専門学校
  • 俳優養成所や大学の演劇学科経由でステップアップする方も

多くの声優志望者が、上記2つの学校や養成所に通い所属のチャンスを狙っています。
定められた在籍期間で所属ができなかった場合は、別の養成所に入り直して所属を狙うというような人も多く存在しています。
(ちなみに私と養成所が同じだった人の中には今もなお養成所に通っている人もいます。)

注意しなくてはならないのは、学校や養成所に通う限り学費やレッスン費がかかること、
そして、養成所に入所できたからといって、進級や事務所所属が約束されているわけではない、ということです。
入所金で30万円、年100万円くらいのところもあるので、それでもなりたい!という強い気持ちが大切です。

私が通っていた日ナレのクラスでは30人中8人くらいは途中で来なくなってしまっていました。
学歴としても書けないところも多いので、レッスンにかようのはあくまで趣味や投資の一環です。
お金をドブに捨てないためにも、自分が本当にやりたいのかを見極める必要があります。
でも個人的には、例え所属できなくても自分はこの中で一番になるにはどうしたらいいのだろうか、と考え続けて試す良い機会となったので、とても貴重でかけがえのない時間でした。

2-2. オーディションに合格→事務所所属

養成所の最終審査や外部オーディションで合格し、声優プロダクションに所属するのが最も王道なステップです。

  • 所属後は事務所がアニメ・ゲームなどのオーディション情報を取ってきてくれる
  • マネージャーが仕事の調整やキャスティングへの売り込みを行ってくれる
  • アニメ会社の付属事務所だったり、大きな事務所だったりするとモブ(いわゆる名前がないキャラクター)の声を当てる仕事を持ってきてくれることも

所属してからがスタート

モブや小さな役ナレーションから徐々に実績を積んでい来ます。
上手くハマれば急にチャンスが来ることもある一方、案件がゼロでアルバイト生活が続くケースも少なくありません。
逆に、急に仕事が入ったせいで、生活のためのアルバイトができず困窮してしまい、オーディションを制限したなんて、本末転倒なこともよく聞きます。

事務所の方針次第ですが、公募型の外部オーデションに参加して役を取ってこい!と送り出す事務所もあるようです。(私の所属していたところは外部オーディション受験禁止でした)

3. 厳しい競争と現実

3-1. 声優志望者は“何万人”もいる

声優プロダクションに所属する人数は年々増加し、飽和状態とも言われています。
近年、アニメやゲーム市場の拡大、メディアの影響で声優人気は依然高く、養成所や専門学校に在籍する若者だけでも数万人規模と言われています。
当然ながら競争率は極めて高いのが実情です。

3-2. “声優だけで食べている”人は一握り

事務所に所属しても、まとまった収入を得られる保証はほぼないのが現実。
具体的な数字は調査機関によってバラつきがありますが、一説によると声優名鑑には約1,000人もの名前が登録されていますが、一部の人気声優に仕事が集中して、声優の仕事だけで生活できる人は300人程度というのが現状だということです。
声優名鑑にも乗らない「声優志望」がその下にごまんといるのは言わずもがな。

多くの新人はアルバイトや別の仕事をしながらオーディションに挑戦する日々が続きます。
それを経て、運や実力、タイミングが合って初めてアニメの主要キャストを射止められるようになるのです。
現役の人気声優も、デビュー後しばらくはアルバイトと両立していた……という例は珍しくありません。
もしかしたら自分の今「推し」ている声優さんもアルバイトをしているかもしれませんよ。

4. それでも声優を目指したい理由はなんだろう?

声優を取り巻く厳しい環境についてお伝えしました。
ここで一度、あなた自身に問いかけてみてほしいのです。
「なぜ声優になりたいと思ったのか?」

  • 子どもの頃からアニメが大好きで、自分もあの世界を創りたい?
  • 舞台や役者として演じることが何より楽しい?
  • 声で人を魅了したい? 人前に出るのは苦手だけど、演技への情熱はある?

どんな理由でもOKですが、後に続く「自己分析」をするうえで、“原点”を意識しておくと方向性がブレにくくなります。

5. Vtuberは声優?

最近はVtuberという選択肢もよく聞きますよね。
人気のVtuberさんの「前世」を探ると、どんな立場だったかは置いておいてもともと声優だったという方も少なくないです。

Vtuberさんは、

  • アバターを使って自分でキャラクターを演じる
  • ネット配信を中心に活動する

確かに声の演技要素もありますが、配信企画やトーク、ファンとのコミュニケーションなど、タレント活動的な面が強く、“声優”とは別ジャンルととらえる人も多いです。
「ロールプレイそのものが好き」という場合は、Vtuberやネット発信も一つの手かもしれません。

よく見てみると、大手のVtuber事務所だと本職の声優さんよりも多くドラマCDやシチュエーションボイスを配信している、なんてこともあります。
声のお仕事として、かなり有効な選択肢かもしれません。

今後の自己分析の際に「実はやりたいことがVtuber寄りかも?」と気づいたら、そちらを検討してみても良いですね。

6. 次回予告

次回は、あなた自身が「どんな声優になりたいのか?」を明確にするための“自己分析”について取り上げます。

私も過去に自己分析を怠ったせいで、時間を無為に過ごす失敗を経験しました。
同じミスをあなたがしないよう、具体的なステップや実践ヒントをお伝えしていきますので、お楽しみに!

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